アザゼルのやぎ

レビ16:10「アザゼルのためのくじが当たったやぎは、主の前に生きたままで立たせておかなければならない。これは、それによって贖いをするために、アザゼルとして荒野に放つためである」
7月1日にはラッパを吹き鳴らす祭り(23:24)、7月10には贖罪の日(23:27)、そして7月15日から1週間仮庵の祭りがあります(23:34)。月のほとんどがイベントで埋め尽くされていることから7月を「聖なる月」とも呼んでいます。アザゼルの記事は7月10日のいわゆる「大贖罪日」に行われるもので、年に一度罪を1匹のやぎになすりつけることで祭司やイスラエルの民から罪が贖われたことになるのです(34)。このレビ16章だけに登場する「アザゼル」はサタンのことを指すと言われていますが、その根拠になったのが外典エノク書」です。その中でアザゼルは神に背き、地上で人間の女と関係を持ったことが書かれ、男には武器の作り方を、女には化粧の仕方を教えたとされています。この記述とノアの洪水前のネフ ィリムという巨人の話が合致するので、あながちデタラメというわけでもなさそうです(創6:4)。とにかくアザゼルのためのやぎは、生きたまま不毛の地に放置され去っていきます(22)。その後アザゼルと呼ばれる者がどうやぎを扱うかは書かれていませんが、天幕に残ったイスラエルの民は贖われるのです。