父の妻を妻にしている

1コリ5:1「あなたがたの間に不品行があるということが言われています。しかもそれは、異邦人の中にもないほどの不品行で、父の妻を妻にしている者がいるとのことです」
父はギリシャ語で「pater(パテア)」で「祖先」とか「年長者」の意味もあります。イエス様の十字架の前の祈りの中で「アバ父よ」という語りかけがありましたが(マコ14:36)、ギリシャ語聖書は「abba pater(アバ パテア)」と書かれています。「アバ」はアラム語の父という意味です。ここで「母」ギリシャ語「mater(メテア)」が使われず「父の妻」とあるのは、実の母という意味でなく、父のめかけとか継母の意味だと思います。どちらにしろ旧約の律法では「自分の父の妻をめとり、自分の父の恥をさらしてはならない」とあり禁じられています(申22:30)。この申命記の直訳は「父の隠しているものをあばいてはならない」というもので、ノアの洪水の後で、ノアが裸で酔いつぶれたのを隠そうとしたセムヤペテの行為と重なります(創9:23)。権威ある者の覆いは下位のものが勝手に暴いてはいけないのです。しかもこれは「異邦人の中でもない」とあり、ローマ人や在留異国人でさえ避けるほどの不貞だったことがわかります。そのように道徳に反する者が教会内にいたのです。