イスラエルをさばいた

士12:11「彼の後に、ゼブルン人エロンがイスラエルをさばいた。彼は十年間、イスラエルをさばいた」
士師記によく登場する「さばく」は新改訳では「裁く」を使わずに全部ひらがな表記です。またヘブル語の「shaphat(シャファット)」には「治める」とか「汚名を晴らす」などの意味もあります。士師は実際に裁いたわけではなく、「さばきつかさ」は先頭に立つ力量のある者が、神の霊を受け、自らあるいは民を率いて敵対する民族を滅ぼしたり、占領したりする人のことを指しています。イブツァンとエロンは12章だけに出てくるどんな活躍をしたかも書かれていない士師です。それでも最も短いギデオンの息子アビメレクの3年に比べれば長い方です(9:22)。士師の中で最長にイスラ エルを治めたのはエフデで80年だと書かれています(3:30)。また、サムソンが登場する前にペリシテ人が士師不在のイスラエルを苦しめた年数は40年だともあります(13:1)。士師の時代は単純に足し算すれば410年という長さになりますが、出エジプトからソロモン神殿までが480年だとする列王記の記述とは矛盾します(1王6:1)。どちらにしろ士師の時代が混迷した時代には間違いなさそうです。