エン・ハコレ

士15:19「すると、神はレヒにあるくぼんだ所を裂かれ、そこから水が出た。サムソンは水を飲んで元気を回復して生き返った。それゆえその名は、エン・ハコレと呼ばれた。それは今日もレヒにある」
士師記を読む限り、ナジル人が信仰に厚く、おとなしく祈り求める聖者のようなものではないことがわかります。少なくともサムソンの物語はそうです。そしてこの章でとても気になることは、ろばのあご骨の異常な頑丈さです(15)。1000人を打ち殺したサムソンの体力にも驚かされますが、おそらく1000回以上打ちたたいたであろうろばのあご骨が最後まで砕けなかったことにはさらに驚かされます。本当に素行の悪いサムソンはユダの人たちからも嫌われ、捕らえられてペリシテ人 に差し出される有り様です(12)。こんなサムソンでも主に呼び求めたとき、それに応えられています。主の霊が下られたとき、その人は力を得て想像を絶する能力を発揮するのです。1000人を打ち殺したことは主の目にかなったことだったようです。疲れ果てたサムソンをもう一度用いようとする主の助けは水となって現れ、その水を飲んだサムソンは「元気を回復して生き返った」と書かれています。「エン」は泉で、「ハコレ」が叫びです。この地は後世に語り継がれるほど、サムソンの代表的な逸話となったのです。