ベニヤミンの人

1サム9:16「あすの今ごろ、わたしはひとりの人をベニヤミンの地からあなたのところに遣わす。あなたは彼に油をそそいで、わたしの民イスラエルの君主とせよ。彼はわたしの民をペリシテ人の手から救うであろう。民の叫びがわたしに届いたので、わたしは自分の民を見たからだ」
サムエルは最後の士師だとも言われ、サウルが王になるまではさばきつかさでした(7:15)。同時にサムエルは預言者でもありました(3:20)。ともに神のことばを聞き伝える者と、さばくものの二役をしていたわけです。しかし、サムエルの息子たちの失敗によりさばきつかさへの不信が募り、「王が欲しい」とイスラエルの民は訴えました(8:5)。この声が主に届いたと言われているのです。主が最初に選んだ のは、「イスラエルの部族のうちの最も小さいベニヤミン人(21)」で、さらに「ベニヤミンの部族のどの家族よりも、つまらないもの(21)」だとサウルが言っています。確かにベニヤミン族はほとんど滅亡しかけた民族で、よこしまな者をかばおうとした歴史があります(士20章)。主は見捨てられたような部族の中からでも王を選びます。それでもサウルは非常に美しく誰よりも方から上だけ高かった、とあります(2)。主は外見も内面も見ておられ、この男になら、と油を注がれるのです(10;1)。それから先は本人次第です。主に油注がれただけで、主に求めることをしなければサウルの結末のようになってしまいます。