詩篇7篇 私の義と、私にある誠実

詩7:81「主は諸国の民をさばかれる。主よ。私の義と、私にある誠実とにしたがって、私を弁護してください」
自分に義があり、誠実ならば当然神に対して弁護を求めても断られることはないでしょう。それには自分の心の中に偽りがなく、誰に対しても罪を犯していないことが前提となります。ダビデは神が人の心と思いを調べられることを知っていました(9)。ここではベニヤミン人クシュがダビデの訴える対象となります。ベニヤミン人が絡んだとなると、サウル王の家来が考えられます。ベニヤミン族は士師記の最後に大失敗をして、危うく12部族から外されそうになった経緯があります(士21:1)。そのような失敗をしたベニヤミンの中からサウルが王として選ばれたことは、彼らには朗報だったと思います。しかし、ユダ族ダビデがサウルに変わって王になることは(1サム16:13)、ベニヤミン族にとってはまたも、12部族の前で恥をかいたように感じたはずです。ベニヤミン人クシュという人物は詩篇7篇だけに登場する名前なので、ダビデとどのような経緯で敵対し、ダビデを悩ませるようになったかはわかりません。ただ、ダビデがクシュに対しても、自分がさばこうとせず、主に身を寄せてそのさばきにゆだねようとしていることはわかります。これがダビデの基本姿勢だからです。