詩篇108篇 ほめ歌を歌いましょう

詩108:1「神よ。私の心はゆるぎません。私は歌い、私のたましいもまた、ほめ歌を歌いましょう」
詩篇が登場する最も古い文献マソラ本文では、すでに詩篇は150に分類されており、5巻に分かれていました。詩篇108篇は詩篇57と60篇の合体したような歌になっており、57と60篇は詩篇の第2巻に分類され、第2巻には多くのダビデの詩が収められています。57篇はダビデがサウル王から追われ、洞窟で隠れていたときの詩です。一方、60篇はダビデエドムとの戦いで勝利したときの詩です。それゆえに108篇の後半部分は、「エドムの上に、わたしのはきものを投げつけよう(9)」や「だれが私をエドムまで導くでしょう(10)」とエドムにまつわる内容になっています。これはおそらく詩篇の詩は当時から書き留められており、誰かが歌うときには調べを参考にしたり、誰から歌った内容を用いたりしていたのではないでしょうか。ダビデも一度は主にささげた詩の中から、そのときの心の状態を示す内容を見つけ歌ったように思えます。詩篇の後半に進むに従い、折句(いろは歌)のような遊びを取り入れた内容が増えていきます。その代表となるのが詩篇119篇です。最も長い詩ですが、ヘブル語のアルファベット順になっています。ダビデの幕屋での賛美も最初からやり方が決まっていたわけではなく、賛美していくうちに形が定まっていったのだと思います。