詩篇70篇 ダビデによる。記念のために

詩70「指揮者のために。ダビデによる。記念のために」
51篇から始まるダビデの人生の節目に起きた出来事の中で、ダビデが主に賛美を捧げた詩が続いています。72篇の最後「エッサイの子、ダビデの祈りは終わった(72:20)」で詩篇の一区切りとなっており、73篇からはアサフの詩となっています。ダビデがバテ・シェバのことでナタンと会ったとき(51篇)、ドエグがサウルに告げ口をしたとき(52篇)、ジフがサウルに告げ口をしたとき(53篇)、ガテで捕らえられたとき(56篇)、サウルと洞窟で出会ったとき(57篇)、サウルがダビデの家に暗殺者を送ったとき(59篇)、塩の谷でエドムを12000人打ったとき(60篇)など、ダビデの人生の中で何度主を求めるときがあったのでしょうか。その都度、主に対し自分の苦難な状況を訴え、主を待ち望む様子が詩となっています。その中で何か「記念」になるようなことがあったのでしょうか?70篇のみに「記念のため」という表題がついています。そのまま71篇に続き、72篇はソロモンのためとあります。つまり、70-71篇がダビデが歌う最後の詩で、記念というのは51篇から続いた詩の締めくくりという意味なのではないでしょうか。71篇に入る前の70篇は、40篇の後半部分と同じです(40:13-17)。最後に記念として歌ったのは、「急いで私を助けてください」というものでした。