エゼキエル26章 地下の国に住ませる

エゼ26:20「わたしがおまえを穴に下る者たちとともに昔の民のもとに下らせるとき、わたしはおまえを穴に下る者たちとともに、昔から廃墟であったような地下の国に住ませる。わたしが誉れを与える生ける者の地におまえが住めないようにするためだ」
ダビデの時代にはツロの王ヒラムとダビデは良い関係で(2サム5:11)、それゆえにソロモンが神殿を建てるときには、ヒラムは最大限の協力を惜しまずにいました(1王5:1)。たとえツロとシドンが違う神を信仰していても、ダビデのゆえにイスラエルの神の神殿を作ることに異論はなかったのです。聖書には書かれていませんが、ヒラムもイスラエルの神への畏れを持っていたのかもしれません。イエス様は「わたしたちに反対しない者は、わたしたちの味方です(マコ9:40)」と言われ、ツロのヒラムもまさしく、主の側にいたと思われます。このころからツロはレバノン杉などの輸出で裕福で、かなりの富を持っていたのでしょう。それが数百年後には、イスラエルとツロの間にはまったくかかわりがなくなってしまいました。その昔、地上にいて、地下の国に落ちたのは誰でしょうか。28章にある「神の園、エデン(28:13)」にいた者と話がかぶってきます。現実にはツロはアレキサンダー大王の時代に滅亡したと伝えられています(BC337年)。そのことよりも、以前は神の神殿建設の功労者が、生ける者の地にすめなくなるほどのさばきを受けるのは、何か天から地に落ちた者のことを示唆しているように思えます。ツロとバビロンは終末にも登場します。