もう一つの巻き物

エレ36:32「エレミヤは、もう一つの巻き物を取り、それをネリヤの子、書記バルクに与えた。彼はエレミヤの口述により、ユダの王エホヤキムが火で焼いたあの書物のことばを残らず書きしるした。さらにこれと同じような多くのことばもそれに書き加えた」
バルクの記録したエレミヤの預言の内容については詳細が書かれていませんが、「わざわい」について語られていたことが分かっています(31)。王は暖炉の前に座っていたために、ちょうど目の前にあった暖炉に巻き物をくべてしまいます(23)。王も側近も「わざわい」を聞きながら、恐れようともせず、衣を裂こうともしなかった(24)、とあります。エレミヤの巻き物は、本来王たちが恐れて、主に対して心を入れ替えて、立ち返 ることが目的でした(7)。そうすれば主は「彼らの咎と罪とを赦すことができる(3)」と語られておられたのです。その判断は王たちにゆだねられていました。主は強引に王たちをひざまずかせ、悔い改めを強要することもできたでしょう。その権威は持っておられます。しかし、いつの時代でも人の心が自主的に神に向くことが御心なのです。神に従えない肉の思いを(ロマ8:7)、あえて従わせてこそ神の栄光が輝くのです。主は焼かれた巻き物を、もう一度エレミヤに口述させ、一度言われたことばが決して地に落ちることがないようにされたのです(2王10:10)。