エジプトの国に行こう

エレ42:14「『いや、エジプトの国に行こう。あそこでは戦いに会わず、角笛の音も聞かず、パンにも飢えることがないから、あそこに、私たちは住もう』と言っているのなら」
「エジプトの国に行こう」は、せっかく出エジプトを経て、約束の地に来たユダヤ人には後戻りの発想です。かれらの祖先もエジプトを出たばかりのころ同じようなことを言っていました。新改訳では「私たちをエジプトから連れ出したりして、いったい何ということを私たちにしてくれたのです(出14:11)」とあります。エジプトにいたほうがましだと訴え(出13:12)、水がなければつぶやき(出15:24)、肉が食べたいと文句を言い(出16:3)、エジプトを脱出したばかりの彼らは言いたい放題でした。それでも主の御心は、主の定めた「約束の地」へ導くことでした。出エジプトから8世紀余り、年月が過ぎてもイスラエルの民の心は成長しているようには見えません。北にも東にもバビロン、南は荒野、唯一西に残されたエジプトが好ましく、自分たちが行けばなんとかなるだろうと思っていたのです。また、「パンにも飢えることがない」などと、出エジプトしたばかりの祖先のことばそのままです(出16:3)。エジプトへ戻るの は罪の生活にもどるのと同じ意味なのです。