創世記50章 誓われた地へ上らせてくださいます

創50:24「ヨセフは兄弟たちに言った。「私は死のうとしている。神は必ずあなたがたを顧みて、この地からアブラハム、イサク、ヤコブに誓われた地へ上らせてくださいます」」

ヨセフが王に次ぐ地位についたのは30歳のときでした(41:16)。110歳で死んだということは(26)、80年もの間エジプトに仕えたことになります。ヤコブが死んだときにもエジプトのパロはまだ生きており、ヨセフにヤコブを葬るためにカナンの地に帰ることを許可しています(6)。豊作が7年、ききんが7年と夢の解き明かしの期間は14年で終わっています。にもかかわらず、ヨセフはパロに次ぐ地位にいることができたのは、彼の統治能力が高かったからだと思われます。そのため、ヤコブの葬儀の旅も戦車や騎兵が護衛につき、大きな一団になったと書かれています(9)。それは年老いてもヨセフが大切な存在で、何かの事故や盗賊に襲われたりしてヨセフを失うことをエジプトが恐れていたからだと思います。この一時的な帰還でヨセフは自分の故郷を見、自分の祖先アブラハム、イサクの墓を見ることができました(10-13)。おそらく、このときにヨセフの心はヘブル人が住むべき場所はエジプトではなく、神が示されたカナンの地だと確信したのだと思います。そして、ヨセフの最後の言葉はヘブル人はやがて神の約束の地に帰るという預言で、そのときには自分の遺骸をカナンの地に葬ってほしいというものでした(25-26)。