エジプトの国に行こう

エレ42:14「『いや、エジプトの国に行こう。あそこでは戦いに会わず、角笛の音も聞かず、パンにも飢えることがないから、あそこに、私たちは住もう』と言っているのなら」
主がこのように語られるのは、エレミヤの預言を聞くものの中にエジプトを選択する者がいたからです。つまり、「ヨハナンと、彼とともにいるすべての将校と、身分の低い者や高い者(8)」の中にエジプトに行きたいと思っていた者たちがいたのです。ヨハナンは「私たちは良くても悪くても…(中略)…主の御声に聞き従って(6)」幸せを得たい、とはいうものの、エレミヤからはユダにとどまり死ぬことと、バビロンで捕囚となって生きること以外に第3の道がないのかを探っているようにも見えます。結果的にはエレミヤの預言の忠告を無視して、多くの者はエジプトへ行ってしまいます(43:4-7)。彼らは自分が良いと思った道を選んだのです。エジプトはヨシヤ王のすぐあとにエホアハズを連行し、この段階でユダヤエジプトの属国となっています(2歴36:1-3)。たしかにカルデヤ人(新パビロニア)は乱暴で苦役を強いるうわさはすでにユダの国民も知っていました。それでも主はバビロンを恐がるなと励まし、彼の手からあなたがたを救い出す(11)と約束されているのです。これ以上心強いことばはないでしょう。しかし彼らには自分たちの考えのほうが正しく見えたのです。