まむしのすえたち

マタ3:7「しかし、パリサイ人やサドカイ人が大ぜいバプテスマを受けに来るのを見たとき、ヨハネは彼らに言った。「まむしのすえたち。だれが必ず来る御怒りをのがれるように教えたのか」」
ルカの福音書ではパリサイ人やサドカイ人だけでなく、取税人と兵士も「まむしのすえ」だと呼ばれています(ルカ3:12-14)。なぜパリサイ人やサドカイ人がバプテスマを受けにやってきたのでしょうか?律法に詳しい両派がバプテスマのヨハネに関心を持ったのは、彼の素性を知っていたからだと思われます。祭司ザカリヤの子であり(ルカ1:63)、レビ人のバプテスマのヨハネは、その風貌からがエリヤに似ていたこともあり、預言者と考える人も少なくなかったはずです(4)。「神の国が近づ いた(2)」は、救世主預言にあるように、神の治める国ユダヤをメシヤが再興することを連想させるものです。ルカにはヨハネをキリストだと考えていた人もいたと書かれています(ルカ3:15)。救世主が現れるのならユダヤの一大事です。パリサイ人やサドカイ人もこぞって、来るべき「神の国」のために罪を告白してバプテスマを受けようと来ました。しかし、ヨハネは「悔い改めにふさわしい実を結びなさい(8)」と言い、見かけだけ準備を整えても、心が備わっていなければバプテスマの意味がないと説いたのです。