宮に仕えるしもべたち

1歴9:2「ところで、彼らの所有地である彼らの町々に最初に住みついたのは、イスラエル、祭司たち、レビ人および宮に仕えるしもべたちであった」
「ところで」というのは新改訳だけの訳ですが、1節のバビロンに移されてから時間が経過したことを表しています。おそらく70年が経過して、クロス王の時代になり(2歴36:22)、エズラ、ネヘミヤが神殿再建のために帰還したころの話だと思われます。この箇所に記されていることによると、最初にエルサレムに帰還したのは祭司と宮に仕えるレビ人だとあります。その後ユダ族、ベニヤミン族、エフライムおよびマナセ族が住み着いたとあります(3)。しかし、エズラ書によれば神殿再建にはユダとベニヤミンが関わり、エフライムとマナセの名前は登場しません(エズ1:5)。歴史的に見ても、エルサレムを首都にし、神殿があった国はユダ国で、ユダとベニヤミン族が神殿再建に戻った方が自然です。9章においては彼らの役割や系図が書かれています。70年を経て、3世代、4世代と捕囚された人々の孫やひ孫が再建にあたるようになります。レビ人においては器具を数える(28)、香料を調合する(30)、手鍋だけの仕事(31)、という風に1つのことを専門に扱う者たちもいました。それはレビ人が70年の間に神殿がなくても、祭司としてどうやって仕えるかを子供たちに教えて いたことを示しています。