論議を引き起こすだけ

1テモ1:4「 果てしのない空想話と系図とに心を奪われたりしないように命じてください。そのようなものは、論議を引き起こすだけで、信仰による神の救いのご計画の実現をもたらすものではありません 」
パウロが最初エペソへ訪れたときに、単独でシナゴーグに入って伝道したことが記録されています(使18:19)。テモテはエペソ教会を監督するために、パウロからそこへとどまるよに言われています(3)。そして最初に指示されたことは「 果てしのない空想話と系図とに心を奪われたりしないように命じてください」というものでした。それは手紙の冒頭のあいさつの直後に書かなければならないほど、重要な問題だったと思われます。「系図」のギリシャ語「genealogia(ゲネアロギア)」は英語の「genealogy」の語源になった言葉です。文字通り誰が先祖で誰の子孫かをたどるもので、エペソでは血統を気にしていたようです。それはユダヤ人だけでなく異邦人にも福音が宣べ伝えられるという教えに反するものでした(ロマ9:24)。「空想話」がどういうものかはわかりませんが、系図と合わせて考えるならユダヤ人こそキリスト者の正統派だ…というような勘違いの考えだと想像できます。教会の中に誰かの血統だから優遇され、そうでないものは下に見ら れるようなことがあってはなりません。人はすぐに優劣をつけたがり、イエス様の弟子もだれが一番偉いかを議論した事実があります(マタ9:34など)。人が集まるところには避けられない考えですが、テモテはすぐにこれを排除しなければなりませんでした。