やがて来たるべき君主の民

ダニ9:26「その六十二週の後、油そそがれた者は断たれ、彼には何も残らない。やがて来たるべき君主の民が町と聖所を破壊する。その終わりには洪水が起こり、その終わりまで戦いが続いて、荒廃が定められている 」
70週(24)の「週」のヘブル語「shabuwa(シャブワ)」は「7」を指し、「7を70回」とも取れます。「shabuwa」が7なのか7回なのか、1週間なのかは前後のつながりで意味は変わってきます。多くの聖書学者は「荒らす忌むべき者」をアンティオコス・エピファネスだと考えています。彼はユダヤの神殿で神の定められていない捧げものをし、神を冒涜した歴史があります。これに反対したマカバイが彼を追い出したのが「マカバイ記」に書かれ、それを記念して「宮清め」の祭りが制定されました(ヨハ10:22)。この節で書かれているのは「町と聖所が破壊され」「洪水がおきる」の2点です。それにはまず聖所がなければなりません。おそらくエゼキエル神殿(エゼ40-43章)の建設後に終わりの時代の荒らす憎むべき者(マ タ24:15)が現れるのでしょう。終末のスケジュールは戦争、にせキリスト、気象など様々な現象が組み合わさって進行していきます(マタ24章)。戦争のうわさだけで終わりの時代を決めつけることはできません。いくつかの団体は何年何月という具体的な数字を挙げて宣言しましたが、いずれも実現していません。21世紀になり、誰もが来年こそと考えているようですが、聖書に書かれている多くのイベントが起きなければ、艱難も再臨もないのです。とりあえず神殿の建設は不可欠でしょう。