ミカ1章 ラキシュに住む者よ

ミカ1:13「ラキシュに住む者よ。戦車に早馬をつなげ。それはシオンの娘にとって罪の初めであった。イスラエルの犯したそむきの罪が、あなたのうちに見つけられたからだ」
ラキシュといえばヨシュアがまだ約束の地を占領する前に、5人の王と戦った場所の1つです(ヨシュ10:3)。このとき主は雹を降らせ、日は沈まず月がとどまるという奇跡を行なっています(ヨシュ10:11-12)。時代は飛び、アマツヤ王のときには謀反者がアマツヤをラキシュで暗殺しています(2王14:19)。さらに、ヒゼキヤ王のときアッシリアはラキシュを拠点としてユダ国を攻めていましたが、ヒゼキヤはユダにある金を全部アッシリヤに渡し、アッシリヤの攻撃は一時止まっています(2王18:14-16)。ここで言うイスラエルのそむきの罪は、ヒゼキヤの宝物庫にある宝を全部アッシリヤに渡し、主に拠り頼まなかったことのように聞こえます。しかし、ヒゼキヤの主に対する信仰や偶像をユダから取り除いたことは、主から覚えられ(2王18:4)、ヒゼキヤの時代にはユダを滅ぼすことはありませんでした。それでもユダはマナセの時代に偶像を復活させ、罪のない者の血を流させたことは、主の心を大いに怒らせました(2王24:4)。ミカはエレミヤよりも先にエルサレム滅亡を預言しており、エレミヤもミカの預言を引用して(エレ26:18)、ヒゼキヤの時代には主がわざわいを思い直したことを語っています。ミカの時代に彼の預言に耳を傾ける王がいれば歴史も変わっていたかもしれません。