ナホム3章 、捕囚となり、とりことなって行き

ナホム3:10「しかし、これもまた、捕囚となり、とりことなって行き、その幼子たちもあらゆる町かどで八つ裂きにされ、その高貴な人たちもくじ引きにされ、そのおもだった者たLちもみな、鎖につながれた 」
捕囚となったのは、クシュ、プテ人、ルブ人たちのことです(9)。クシュはエチオピア、プテはエジプト西の地方、ルブはリビアのことです。ルブのヘブル語「luwbiy(ルビー)」はその発音からリビアの語源にもなりました。彼らはエジプトと同盟を結びアッシリアに対抗しましたが、アッシリアに負けてしまいます。その様子は幼子を八つ裂きにする残虐さで、ここでは「高貴な人」となっていますが、要は金持ちや使えそうな者たちのことで、彼らは捕囚となり連行されます。アッシリアもバビロンも相手を皆殺しにするのが目的ではなく、あくまでも自国の領土を広げ、覇権を世界に示すのが戦争の目的です。そのためある程度、戦争の決着がついたら相手国の国民を捕虜として連行しました。その様子は 「鎖でつながれ」とあるように、足かせをされて歩かされるのです。19世紀フランスの画家ジェームス・ティソが描いた「バビロン捕囚」の絵画では、連行されるユダヤ人の姿が生々しく描かれています。アッシリアは略奪をし、捕囚された敗戦国の国民にも優しい政策を取りませんでした。それゆえにアッシリアが滅ぼされる番になったときに「手をたたいて(19)」喜ばれるようになるのです。