創世記4章 カインは町を建てていた

創4:17「カインはその妻を知った。彼女はみごもり、エノクを産んだ。カインは町を建てていたので、自分の子の名にちなんで、その町にエノクという名をつけた 」
カインには特別なしるしが与えられ(15)、ある意味カインは殺される心配はありませんでした。当分死なないと分かると人はそれなりに高慢になるものです。主はカインに「あなたは地上をさまよい歩くさすらい人となるのだ (12)」と言われたのにも関わらず、カインはさすらい人どころか、土地に住み着き(16)、妻をもらい、町を作っています。主に対して「私の咎は、大きすぎて、にないきれません (13)」と訴えた舌の根も乾かぬうちに、主のことばに反する行動に出ているのです。しかも「主の前から去って(16)」とあり、とことん主に対する恐れの欠如している者であることがわかります。カインの子エノクは「ささげられた」とか「教えられた」の意味があります。あたかも自分の弟アベルを彷彿させる名前です。しかし、カインの6代目の子孫メレクはカインに輪をかけて悪に進もうとする様子が書かれています(23-24)。おそらくカインもまだ生きていたであろう時に、「カインに七倍の復讐があれば、レメクには七十七倍 (24)」とうそぶき、2人の妻に自分の偉大さを鼓舞するのです。アベルは殺され、カインは追放され、アダムとエバには後を継ぐ者がいなくなりました。その後の詳しい記録は聖書にありませんが、ノアの時代までに人の心は悪に傾いていくのです。