創世記4章 罪は戸口で待ち伏せして

創4:7「あなたが正しく行なったのであれば、受け入れられる。ただし、あなたが正しく行なっていないのなら、罪は戸口で待ち伏せして、あなたを恋い慕っている。だが、あなたは、それを治めるべきである」
おそらく聖書で「罪」という言葉が使われたのはこの箇所が初めてだと思います。「罪」はヘブル語「chatta'ath(チャタアー)」が使われており、この次にこの語が現れるのはソドムとゴモラのときです(18:20)。神は人に何が正しいかを教える記述はありませんが、アダムとエバが食べた善悪を知る木の実のために(2:9)カインには主の言われる「正しい」の意味がわかったはずです。同時にその反対の意味の「悪い」、ヘブル語で「ra'(ラー)」も、何のことか悟っていたはずです。主は悪は罪であり、罪は人を恋い慕っているのだと教えています。ここにすでに人が肉体を持ったゆえの葛藤があることがわかります(ロマ8:7)。しかし、主は「それを治めるべきである」と言われています。「治める」すなわち自分の支配下におき、たとえ心にアベルを殺したいという欲求があったとしても、その欲求を押し殺してこそ治めたと言えるのです。カインとアベルの話にはへびやサタンは登場しませんが、「罪」という言葉の裏にサタンの影が見え隠れし、カインも母エバ同様に、心に芽生えた罪を抑えることができなかったのです。