ルカ11章 ザカリヤの血に至るまでの

ルカ11:50「それは、アベルの血から、祭壇と神の家との間で殺されたザカリヤの血に至るまでの、世の初めから流されたすべての預言者の血の責任を、この時代が問われるためである。そうだ。わたしは言う。この時代はその責任を問われる」

新共同訳と2017年訳では、50節が存在し「こうして、天地創造の時から流されたすべての預言者の血について、今の時代の者たちが責任を問われることになる(新共同訳)」という内容が書かれています。そして、51節が「アベルからザカリヤの血に至るまで…」となっています。アベルは創世記にあるカインに殺されたアダムとエバの子のことです(創4:8)。ノアの洪水より前の出来事ですが、イエス様はアベルを最初の義人の犠牲者として挙げています。ザカリヤというのは、おそらくバプテスマのヨハネの父ザカリヤのことを指していると思われます(1:5)。聖書には書かれていませんが、外典ヤコブ福音書には、イエス様の誕生の際にヘロデ王が探し当てられず、怒ってザカリヤを殺した記述があります。創世記からイエス様の誕生まで4000年が経っており、その間に殺された預言者の数は数えきれないほどになっていたはずです。律法学者やパリサイ人たちの偽善的な行ないが、人々の目を曇らせ、間違った判断で多くの預言者が殺されました。イエス様は、今こそ彼らに血の責任を問うと言われているのです。「わざわいだ(43)」と言われたことばは、マタイの福音書では8回も繰り返されています(マタ23:13-42)。