民数記21章 それを旗ざおの上につけよ

民21:8「すると、主はモーセに仰せられた。「あなたは燃える蛇を作り、それを旗ざおの上につけよ。すべてかまれた者は、それを仰ぎ見れば、生きる」」
偶像を作ったり拝んだりするのを禁じたのは主ご自身です(出20:4)。しかし、荒野でのモーセに命じたこの言葉は耳を疑います。これは偶像ではないのでしょうか?確かにこの青銅の蛇は拝む対象になっていたことが、ヒゼキヤの時代の記述に残されています(2王18:4)。モーセの時代から約400年に渡り、この蛇は壊されず、アシェラ像のそばに置かれ、人々はこの蛇に香をたいていたとあります(2王18:4)。蛇は長い歴史の間に「ネフシュタン」という名で呼ばれ、英語の「Nehushtan」は固有名詞で、モーセの作った青銅の蛇を意味しま す。ヒゼキヤはこれを壊しました(2王18:4)。この蛇についてはイエス様ご自身が言及されています。ユダヤの指導者ニコデモとの会話の中で(ヨハ3:1)、「モーセが荒野で蛇を上げたように、人の子もまた上げられなければなりません(ヨハ3:14)」と語っておられます。確かに、青銅の蛇は偶像になり得ましたが、まったく意味がなかったわけではありません。「旗ざお」という木にかけられた蛇には、人を殺す効力が失われ、生きることができます。十字架のひな形として罪の象徴である蛇はさおにかけられ力を失うのです。