民数記17章 あかしの箱の前に戻して

民17:10「主はモーセに言われた。「アロンの杖をあかしの箱の前に戻して、逆らう者どもへの戒めのため、しるしとせよ。彼らのわたしに対する不平を全くなくして、彼らが死ぬことのないように」
12本の杖の中で芽を出したのはアロンの杖だけで、しかも花を咲かせアーモンドの実を結んだとあります(8)。この杖がしるしとなり、以降主に逆らう者への戒めとなりました(10)。おそらくこの箱の前にアロンの杖を置くことはずっと続いていたのだと思います。その理由は、モーセが作らせた青銅の蛇は(21:9)、ヒゼキヤの時代まで「ネフシュタン」という名前で残っていたことが挙げられます。荒野の時代に作られた青銅の蛇をずっと大切に拝んでいたとしたら、アロンの杖も同様に契約の箱の前に置かれていたとしても不思議ではありません。ヘブル書には、契約の箱には契約の板2枚と、マナの入った金のつぼ、そしてアロンの杖があったと書かれています(ヘブ9:4)。しかし、旧約の中では箱には2枚の石の板以外に入っていなと書かれ(1王8:9、2歴5:10)、ヘブル書とは違っています。マナのつぼについては、モーセがアロンに1オメルのマナをつぼに入れて主の前に置くように命じています(16:33)。主の前に置くことはアロンの杖と同じように主の契約の箱の前に置くことだと考えられます。アロンの杖もマナのつぼも運ぶときには契約の箱に入れて運んだのでしょう。神殿が完成してからは、移動する必要がないのでマナもアロンの杖も契約の箱の前に置かれたままです。もし誰かが幕屋に設置してある段階で契約の箱の中を見たら、板2枚しか入っていないように見えたでしょう。