イザヤ58章 ヤコブのゆずりの地

イザ58:14「そのとき、あなたは主をあなたの喜びとしよう。「わたしはあなたに地の高い所を踏み行かせ、あなたの父ヤコブのゆずりの地であなたを養う」と主の御口が語られたからである」
ヤコブのゆずりの地」というのは、乳と蜜の流れる地(出33:3)、現在のイスラエルのことです。トルコ領だったパレスチナ地方にユダヤ人の国を作るというのは、ドレフィス事件(1894年)に端を発する寄留者としての限界を感じたユダヤ人の魂の叫びが呼び起こしたものです。1897年テオドール・ヘルツル提唱によるシオニズム会議でイスラエル建国に準備を進めてきました。そこでは初めにロスチャイルド資本による銀行の設立、次にパレスチナ地方の土地購入という計画を立てました。彼らは砂漠であろうが、荒地であろうがかまわず、言い値で買ったと記録が残っています。そしてユダヤ基金で購入した土地はユダヤ人のみで開墾し、ほかの民族に売ることは禁じられていました。こうして「キブツ」というソ連コルホーズのような集産主義的共同体を通じて、自給自足の体系は整っていくのです。天からマナは降っては来ませんでしたが、ユダヤ人の独立精神は強く、ネゲブのような砂漠地帯でもブドウを成らせ、自給率は90%を超えています。