詩篇80篇 私たちをもとに返し

詩80:3「神よ。私たちをもとに返し、御顔を照り輝かせてください。そうすれば、私たちは救われます」
3回繰り返されるこのことばは(7,19)、この詩の主題になっていることばです。いったいアサフは、どの時点から元に戻してほしいの願っているのでしょうか。エジプトから連れ出され、約束の地に植えられたぶどうに例えているので(8)、イスラエルの国を指しているのは間違いありません。アサフはすでに79篇でバビロン捕囚を悔いて、主にエルサレムを焼いた国に復讐するように願っています(79:6)。80篇もまた、エルサレムが滅びた後のことを書いているとするなら、「もとに返し」て欲しいのは、ダビデやソロモンのイスラエルにとって黄金の時代のことを願っているのではないでしょうか。その願いはアサフだけのものでなく、イスラエルの民全部が願っていることです。それゆえに聖書に書かれている「メシヤ」をどれだけ待ち望んでいたことでしょう。イエス様は、多くのユダヤ人が待ち望んだメシヤだと信じられていました。弟子の中にもイスラエルの再興を信じている者がいましたが(使1:6)、神のご計画は人のいのちを救うことに集中しておられました。アサフの言う「もとに返る」のは、アダムのときのように罪がない状態を指しているのなら、「救われる」の意味が通じます。「もとに返る」「救われる」は、とても意味深なことばだと思います。