詩篇92篇 レバノンの杉のように

詩92:12「正しい者は、なつめやしの木のように栄え、レバノンの杉のように育ちます」
「なつめやし」のヘブル語「tamer(タマール)」は、一般的な「ヤシの木」を指します。また、レバノン杉は古代エジプトでも王宮や棺などに使われており、オリエント、メソポタミア全土で重宝されたようです。まっすぐで通気性もよく、舟の材料としても使われ、ツロの王ヒラムはダビデにも(2サム5:11)、ソロモンにも(1王5:8)、高価なレバノン杉の提供を申し出ています。ヤシの木はまっすぐ伸び、太陽の光を好み、日陰では成長が遅くなります。一方、レバノン杉はヤシの木に比べ成長が遅くゆっくりと幹を張っていきます。成長したレバノン杉の枝には鳥たちが集まり、その陰で憩います (エゼ17:23)。これらの木を正しい者の成長の比喩に使い、ヤシの木のように光の下でまっすぐ伸び、レバノン杉のように多くの枝や幹を張り、動物が憩う様子が思い浮かびます。ヤシの木の成長のように光(イエス様ヨハ1:4)を好み、レバノン杉が枝や幹を張る様子は、あたかも試練を受け経験を積み(申8:5)、人格が多くを受け入れるようになることを指しているように思えます。