1サムエル記19章 私がどうしておまえを殺せよう

1サム19:17「サウルはミカルに言った。「なぜ、このようにして私を欺き、私の敵を逃がし、のがれさせたのか。」ミカルはサウルに言った。「あの人は、『私を逃がしてくれ。私がどうしておまえを殺せよう』と私に言ったのです」」
ミカルはダビデに殺すと脅されたから逃がした…と嘘を言っています。サウルの言動やその場の荒い語気では、娘のミカルも怖気づいて当然のことです。ダビデはサウルに槍を投げつけられたことをミカルに報告したのだと思います(10)。その夜ダビデの家の周りには見張りが大勢いるのを見て、ミカルはサウルがダビデの命を狙っていると判断しました(11)。ミカルはダビデを愛していたとあります(18:20)。しかし、ミカルのダビデが脅したとい う発言は墓穴を掘ってしまいます。サウルはダビデがミカルを愛していないと思い、別の男とミカルを結婚させるからです(25:44)。一方ヨナタンはサウルに「なぜ、あの人は殺されなければならないのですか(20:32)」と訴え、槍で殺されそうになります(20:33)。ダビデを愛した兄妹ヨナタンとミカルの違いがここで浮き彫りにされます。とはいえ、自分の息子でさえ殺そうとしたサウルの執念を見て、とっさに嘘を言ったミカルに同情すべき点もあると思います。やがてダビデはミカルを取り戻します(2サム3:14)。ダビデは逃がしてくれたミカルを覚えていたのです。