詩篇124篇 歯のえじきにされなかった

詩124:6「ほむべきかな。主。主は私たちを彼らの歯のえじきにされなかった」
新共同訳では「わたしたちを敵の餌食になさらなかった」となっており、口語訳は「主はわれらをえじきとして、彼らの歯にわたされなかった」となっています。。原文ヘブル語には「shen(シェイン)」すなわち「歯」が使われており、新改訳はより原文に近いと言えます。次の「仕掛けられたわなから鳥のように助け出された(7)」と合わせて考えるなら、ダビデは自分の境遇を小さな小動物にたとえ、敵は小動物をねらう猛獣で、捕らえられるなら今にも食いちぎられそうな危ない状況を想像し歌っています。そして、その危機的状況から主によって助けられたことを喜び、主を賛美しています(6)。この詩の最初は「 もしも主が私たちの味方でなかったなら(1)」という不思議な歌いだしから始まっています。そんなことはないけれども、ダビデは主が自分を守ってくれなければ、今頃大変なことになっていると歌うのです。それゆえに、自分の味方でいてくださる神の御名に感謝しているのです(8)。「私たちの助けは、天地を造られた主の御名にある(8)」はダビデの悟りであり、これだから都に上ることを喜べるのです。