詩篇145篇 ほめたたえますように

詩145:21「私の口が主の誉れを語り、すべて肉なる者が聖なる御名を世々限りなくほめたたえますように」
ダビデの名前がタイトルにつく詩の中では145篇が最後の詩になります。いわば最後にダビデが歌った詩がこの21節になります。この詩の中ででは「聞いてください(27:7)」「私に耳を閉じないでください(28:1)」「いつまでながめておられるのですか(35:17)」などという、主に対する問いかけはありません。この145篇も折句(おりく)となっており、節の最初がヘブル語のアルファベット順になっています。13節だけ例外でアフファベットの13番目「mem(メム)」と14番目の「nun(ヌン)」の2文字が使われ、この詩は全部で21節になっています。折句は英語で「acrostic」と言い、各行頭の文字をつづると1つの語になる詩や散文のことを指します。ダビデもまたヘブル語に精通した歌い手で、おそらく即興でこの詩を歌ったのだと思われます。ヘブル語のアルファベットの最後の「taw(タウ)」を使った単語で、ダビデが選んだ単語は「tahillah(テヘラア)」で「ほめたたえる」という意味です。ダビデ詩篇の順番通りに詩を歌ったかどうかはわかりませんが、誰かが詩篇を編纂したことは間違いありません。詩篇ダビデの最後の詩が「すべて肉なる者が聖なる御名を世々限りなくほめたたえますように」というのは、とてもダビデらしいと思います。