2サムエル記2章 四十歳でイスラエルの王となり

2サム2:10「サウルの子イシュ・ボシェテは、四十歳でイスラエルの王となり、二年間、王であった。ただ、ユダの家だけはダビデに従った」
2サムエル記はサウルの死後からの話になっています。「サウルは三十歳で王となり、十二年間イスラエルの王であった(1サム13:1)」とあるので、サウルの死んだ年齢は42歳です。このときサウルの子が40歳というのはどうも計算が合いません。しかも、イシュ・ボシェテはサウルの子たちヨナタン、アビナダブ、マルキ・シュアと戦いに出て行かなかったことから末っ子の可能性があります(1サム31:2)。また、この後でヨナタンの息子メフィボシェテが見つかりますが、彼は5歳でした(4:4)。42歳のサウルに5歳の孫は考えられない年齢ではありません。当時は12歳(数え年で13歳)で成人を迎えますから、そのような年齢で結婚したり、子どもが生まれることはあり得ることです。現在でもユダヤ人は13歳になると成人式をします。イシュ・ボシェテが40歳でなく14歳なら、まだつじつまが合います。聖書ではこのときダビデは30歳だとあります(5:4)。つまり、サウルの30代とダビデの20代は、追跡と逃走の10年だったのです。イシュ・ボシェテの年齢はともかく、彼は将軍アブネルに担ぎ出された(8)、サウル王朝の次の王であり、王の権威に群がる家臣たちの頼みの綱だったのです。