エレミヤ15章 わたしはあわれむのに飽いた

エレ15:6「おまえがわたしを捨てたのだ、――主の御告げ――おまえはわたしに背を向けた。わたしはおまえに手を伸ばし、おまえを滅ぼす。わたしはあわれむのに飽いた」
「飽いた」のヘブル語「la'ah(ラッアー)」は「疲れた」という意味もあります。ここまで神を怒らせることは、よほどの罪だと思います。それはヒゼキヤが一度すべての偶像を捨てたにも関われず(2王18:4)、息子マナセがすべて元に戻した(2王21:3)ことへの怒りでもあります(4)。それでも主は我慢に我慢を重ねておられました。ここまで怒っている神に対してエレミヤが「あなたの御怒りをおそくして、私を取り去らないでください(15)」と訴えます。主はエレミヤがみ言葉に従い、み言葉を楽しみとしていることを見ておられました(16)。エレミヤに応えて主は「もし、あなたが帰って来るなら(19)」帰らせようと言われています。イスラエルの民をあわれむことに疲れた神ではありましたが、正しい者への正当な判断をしなくなったわけではありません。「たといモーセとサムエルが(1)」という強い語気で始まったこの章は、「わたしは、あなたを悪人どもの手から救い出し、横暴な者たちの手から助け出す(21)」で終わっています。それは滅びを下すイスラエルの民が再び神に戻ることを期待してのことばだと思います。