エレミヤ48章 あなたの物笑い

エレ48:27「イスラエルは、あなたの物笑いではなかったのか。それとも、あなたが彼のことを語るたびごとに彼に向かって頭を振っていたのは、彼が見つけられた盗人のひとりであったためか」
イスラエルが約束の地に到達したときから、先住民モアブとの争いは絶えませんでした。それはヨシュアの時代から始まり(ヨシュ24:9)、士師記の中ではイスラエルがモアブに仕えた記録があります(士3:14)。決して良好な関係とは言えませんが、ルツはモアブ人であり、ダビデの直系の祖先となっています(ルツ1:4)。ダビデは両親をモアブにゆだねたこともありましたが(1サム22:4)、後にモアブを制圧し貢物を納めさせています(2サム8:2)。さらにヨラムとヨシャパテは、イスラエルとユダの垣根を越えて連合してモアブと戦っています(2王3:7)。いつも争っていたユダヤ人とモアブ人ですが、先にバビロンに敗れたのはユダ国のほうでした。それを知り、モアブは笑ったのです(27)。ところがバビロンの侵略はユダ、エジプトでは収まりません。イスラエルは滅ぼして、モアブ人だけは安泰だとはいかないのです。エレミヤに「安らか(11)」だと言われるほど、侵略に対して免疫がありません。モアブ人だけが連れていかれるのではありません。彼らの仕えたケモシュ、その祭司や首長も一緒に捕囚されるのです(7)。隣国を笑っている場合ではありません。次はモアブです。