2列王記21章 ユダにまで罪を犯させた

2王21:11「ユダの王マナセは、これらの忌みきらうべきことを、彼以前にいたエモリ人が行なったすべてのことよりもさらに悪いことを行ない、その偶像でユダにまで罪を犯させた」
歴代誌ではマナセはアッシリアに捕らえられ、足かせを付けて連行されたことが書かれています(2歴33:11)。また、マナセが「主こそ神であることを知った(2歴33:13)」とあるように、一度は神を知るチャンスがあったことも書かれています。しかし、列王記ではマナセはエモリ人よりもさらに悪いと書かれ、罪のない者の血まで流したとあります(16)。悪行の限りを尽くしたマナセですが、治世は55年とイスラエルとユダを通じて最長の年月になっています(1)。イスラエルではヤロブアム2世が41年と最も長く(14:23)、ユダではウジヤ(アザルヤ)が52年とマナセに次いで長い在位になっています(15:2)。後にエレミヤがマナセのゆえに主の怒りが溶けない(エレ15:4)、とあるように、マナセの孫ヨシアがどんなに頑張っても、すでにマナセの罪は主の怒りの限界点に達していたようです。マナセはおそらく寿命を全うして死んだのでしょう(18)。マナセの時代になぜか謀反も暗殺もなかったのは、マナセが惑わした民が(9)、偶像を拝むことに慣れてしまって、罪悪感が失われていたからだと思います。先導したのはマナセですが、それに従った民も罪は問われるのです。