ガラテヤ4章 試練となるもの

ガラ4:14「そして私の肉体には、あなたがたにとって試練となるものがあったのに、あなたがたは軽蔑したり、きらったりしないで、かえって神の御使いのように、またキリスト・イエスご自身であるかのように、私を迎えてくれました」
パウロがコリントの手紙の中で「高ぶることのないようにと、肉体に一つのとげを与えられました(2コリ12:7)」と書いています。この「とげ」によって、パウロは高慢にならずに済みましたが、やはり苦しかったらしくとげを取り除いてくださるように3度もお願いしたことが書かれています(2コリ12:8)。「とげ」が何かは様々な推測があり、断定はできませんが、ガラテヤでは「試練」となっています。「とげ(試練)」は肉体に現れており、第3者がそれを見たときに、軽蔑したり、嫌ったりする類のもののようです。そして「自分の目をえぐり出して私に与えたい(15)」という表現から、目に関することのように思えます。ただし、この表現は単に自分の体の一部を犠牲にしても、パウロを助けたいと願う比喩的な表現の可能性もあります。とにかく、「とげ」は、パウロが自分だけにわかる身体的な何かではなく、他人の目から見てもはっきりとわかるものだったようです。パウロは生涯独身で、手紙の中では「私のようにしていられるなら、それがよいのです(1コリ7:8)」とあり、彼が結婚しないことが普通ではないことを認識していました。その要因の一つがこの「とげ」だったかも知れません。