2歴代誌22章 彼の母が彼の助言者

2歴22:3「彼もまた、アハブの家の道に歩んだ。彼の母が彼の助言者で、悪を行なわせたからである」
「彼の母」とはアタルヤのことです。アタルヤは、自分の夫に強い影響力を持っていました。ユダ王ヨラムがアハブの道、すなわちバアル信仰に走ったのは(1王16:31)「アハブの娘が彼の妻であったからである(21:6)」とあるように、アタルヤがそうさせたのです。夫にも息子にも多大な影響力を及ぼしたアタルヤは「アハブの娘(21:6)」としか書かれていませんが、母はイゼベルだったと思います。イゼベルはシドン人の王家の娘で、彼の父は「エテバアル」と言いました(1王16:31)。「エテバアル」の意味は「バアルと共にいる」で、シドンの王家は根っからのバアル信仰者だとわかります。ソロモンもシドン人の女を愛したとあり(1王11:1)、アシュタロテに従ったと書かれています(1王11:6)。バアルとアシュタロテは夫婦です。シドン人の女たちはとても魅力があったらしくソロモン、アハブ、ヨラム、アハズヤとイスラエルとユダの王たちをことごとくバアル信仰に導いていくのです。アタルヤの残忍さと狡猾さは、シドン人イゼベルの影響をもろに受けているように感じます。この母子の最後は、イゼベルは犬に食われ(2王9:36)、アタルヤは一般の人に殺されます(23:15)。