箴言4章 おとなしいひとり子であった

箴4:3「私が、私の父には、子であり、私の母にとっては、おとなしいひとり子であったとき」
ダビデとバテ・シェバとの間には4人の子どもがいて、ソロモンは4番目の子になります(1歴3:5)。「ひとり子」というのはおそらく、4人の兄弟の中では唯一寡黙で、控えめな性格だったのだと思われます。ダビデはおとなしいソロモンにもっと強い男になれとか、決断力のある者になれとは言いませんでした。ダビデがソロモンに教えたのは「知恵を得よ。悟りを得よ(5)」というものでした。ソロモンのおとなしい性格は、王になるときにおびただしい民の数を治めることに不安を感じていました(1王3:9)。神から「あなたに何を与えようか。願え(1王3:5)」と言われたときに、おそらくダビデの「知恵を得よ(5)」という教えが頭をよぎったのだと思います。ソロモンの「知恵と知識を私に下さい(2歴1:10)」という言葉には、本人の強い願いもありましたが、同時に父ダビデの教えを忠実に守ろうとした結果でもあったと思います。人が神から願いを叶えてもらうとしたなら、長寿と繁栄を求めるでしょう。それらの欲求を振り払っても「知恵」を求めたのは、主への信頼と父ダビデを愛し、尊敬していたからだと思います。