箴言6章 蟻のところへ行き

箴6:6「なまけ者よ。蟻のところへ行き、そのやり方を見て、知恵を得よ」
あたかもアリとキリギリスの寓話を彷彿させるかのようなソロモンの箴言です。「なまけ者」はヘブル語「atsel(アツエル)」が使われ、箴言ではたびたび登場する言葉です。「蟻」はヘブル語「nemarlah(ネマラー)」が使われています。3000年も前から人は怠けることを覚え、蟻は休むことなく働いていました。いつの時代になっても人の営み、動物の習性は変わりないものです。蟻が働くのは首領、つかさ、支配者などに命令されたわけではありません(7)。季節を知り、刈り入れ時に食糧を集めます(8)。蟻には、神殿を建てる知恵はありません。しかし、自分の探してきた食糧をくすねたり、盗んだりはしないのです。ほかの蟻が働いているときに自分だけ寝ている蟻は一匹もいませんし、蟻には仲間を裏切るとか、他人をだますということがわかりません。これらを見ても、人が蟻から知恵を学ぶべき点があると思います。本来なら人間の方が優秀で、蟻が人から学ぶべきなのかもしれません。一般に蜂と蟻は高度な社会性を持つ昆虫として知られていますが、なまけ者が蟻に学ばなければならないのは残念です。