箴言12章 知恵のある人の舌は人をいやす

箴12:8「軽率に話して人を剣で刺すような者がいる。しかし知恵のある人の舌は人をいやす」
ヤコブは「舌を制御することは、だれにもできません(ヤコ3:2)」と語り、人の器官の中でもっとも扱いが難しいものだと教えています。それでもソロモンは「知恵」があるなら、同じ舌を使って人をいやすことも可能だと言っています。「軽率」のヘブル語「bata(バター)」には、「あわててしゃべる」や「考えなしにしゃべる」の意味があります。もし、自分の語る言葉をコントロールしたいのなら、何でも思いついたことを口にするのでなく、少し考えて、間を空けて静かにしゃべってみるのはどうでしょうか?確かに「ことば」は剣になり得ますが、パウロは神のことばは「御霊の与える剣(エペ6:17)」だとし、それは人を傷つけるものでなく、生かすためのものです。ソロモンは「人はその口の実によって良いものに満ち足りる(14)」と言い、たとえ制御不能な器官であっても、知恵を使って語るなら、良いものと巡り合えるのだと考えています。ソロモンの箴言に多く登場する、口や言葉に関する悟りと知恵は、多くの経験からきているような気がします。ソロモンは知恵を与えられたと同時に、人を細かく観察し、何が人を幸せにし、何が人を神から離すのかを知ったのだと思います。人のことをよく知ることこそ「知恵」なのではないでしょうか。