箴言14章 何でも言われたことを信じ

箴14:15「わきまえのない者は何でも言われたことを信じ、利口な者は自分の歩みをわきまえる」
ソロモンの箴言の特徴は、「A」に対して「B」はこうであるという対句を用いることが挙げられます。一節で完結するような内容です。箴言の最初「我が子よ(1:8など)」と呼びかけ、語りかける形式は1章から9章まで続きます。10章から「ソロモンの箴言(10:1)」と書かれ、対句のスタイルが始まり、22章まで続きます。ここでは「わきまえのない者」と「利口な者」を比較しています。「わきまえのない」のヘブル語は「pethiy(ペシー)」で、「単純な」とか「愚かな」という意味があります。「利口」のヘブル語は「aruwm(アルーム)」で、「用心深い」とか「繊細である」という意味があります。ものの考え方が単一的で、いろいろな角度から見ることができない人は、ただ一つの耳に聞こえの良い情報に飛びつきたがります。それに対して、用心深い人は何か目新しいことを聞いても熟慮して、多面的に判断しようとします。ソロモンはこのような知恵の言葉を想像で語っているのではなく、「私が私の家の窓の格子窓から見おろして(7:6)」という記述があるように、彼自身が多くの人見て学んできた経験から来ていると思います。別の言い方をするなら、神からの知恵は、人を見極めることのできる知恵でもあったようです。「人のふり見て我がふり直せ」の人のふりがソロモンには神の知恵によって正しいかどうかを知ることができたのです。