箴言25章 彼の頭に燃える炭火を積む

箴25:22「あなたはこうして彼の頭に燃える炭火を積むことになり、主があなたに報いてくださる」
詩篇では「燃えている炭火が彼らの上に降りかかりますように(詩140:10)」という一節があり、神に正面切って報いをお願いするものがあります。ソロモンの知恵では、「あなたの憎む者(21)」には憎しみや嫌悪を見せずに、飢えているならパンを、渇いているなら水を与えるように諭しています。 詩篇箴言も、結論から言うと同じように、相手に燃える炭火が降りかかるようになります。この箴言のことばは後にパウロが引用したことで、広く知られるようになりましたが(ロマ12:10)、パウロの立場は敵に対して愛を示すものでした。日本では「敵に塩を送る」という故事があります。上杉謙信が敵将の武田信玄が塩の供給が滞ったときに、必要とする塩を送ったとする話です。上杉謙信の真意はわかりませんが、ソロモン的に言うなら敵の頭に炭を積んだことになります。ソロモンが言わんとしていることは、自分で敵をさばくのではなく、神にさばきを委ねなさいということです。敵にパンを与えるなら、調子に乗ってもっと欲しがるかもしれません。あるいはパンだけ受け取って、敵意をそのままにするかもしれません。たとえ、そうであっても自分の判断で相手に報いようとはしないことです。天では用意されている報いがあります(ルカ6:23)。この世では十分な報いはないかもしれませんが、天では大きな恵みが待っています。