箴言28章 利息や高利によって

箴28:8「利息や高利によって財産をふやす者は、寄るべのない者たちに恵む者のためにそれをたくわえる」
4000年も昔から利息という概念がありました。レビ記には、自分の兄弟が貧しく困窮したときに、生活を支え、兄弟から利息を取ってはならないという律法が書かれています(レビ25:36)。それはユダヤの社会では、古くから貨幣経済の概念が確立していたことを示します。キリスト教がヨーロッパに普及し、カトリックが主流であった中世では、キリスト教徒間での利息付借款を禁じていました。そのため高利貸しの仕事は、人から忌み嫌われるものとされ、おもにユダヤ人がその職に就いていました。シェイスクピアの有名な戯曲「ベニスの商人」には、シャイロックというユダヤ人の金貸しが登場しますが、彼は当時の時代背景を象徴する人物です。プロテスタントが利息解禁とし、クリスチャンの金貸しが増えるころには、ユダヤ人は大金持ちになっていました。ソロモンも利息を取ることが悪だとは思っていなかったようで、そうやって高利で得た利益を寄るべのない者たちに使うべきだと考えていました。おそらくソロモンもそうした利益を、弱い人に還元していたのではないでしょうか。