レビ記25章 金を貸して利息を取ってはならない

レビ25:37「あなたは彼に金を貸して利息を取ってはならない。また食物を与えて利得を得てはならない」

ユダヤ人も出エジプトからカナンの地に入る頃は、同胞から利息を取ったりしていなかったようです。一般に、ユダヤ人は高利貸しで金に汚いと思われがちですが、それは初期のキリスト教徒のあいだで、兄弟に金を貸して利息を取ることは卑しい行為として見られていたからです。そして、やがてキリスト教がヨーロッパ全土に広がるにつれて、ユダヤ人がキリストを殺したと噂されるようになり、ユダヤ人迫害が始まります。その中で人に金を貸して利息を得るという卑しい行為ぐらいしか、職業選択の余地がなかったのです。現在ではユダヤ人同士であっても、利息を取ったりすることもあるようですが、贖罪の日や仮庵の祭りのときなどは、イスラエルの町には献金箱が設けられ、貧しい人に金を与えることで、牛や羊や鳩のいけにえを捧げたことと同じに考える習慣があります。そういう意味では、ユダヤ人が同胞の貧しい者たちに対して、哀れみを抱いて助けようとしているのは、彼らが守銭奴だという噂を否定するものです。どうしても「ベニスの商人」のシャイロックのようなイメージを持ちがちですが、イスラエル建国の際にはロスチャイルドの破格とも言える献金が裏で動いており、ユダヤ人が同胞に対する思いは強いと言えます。