ネヘミヤ5章 神を恐れながら歩むべきではないか

ネヘ5:9「私は言い続けた。「あなたがたのしていることは良くない。あなたがたは、私たちの敵である異邦人のそしりを受けないために、私たちの神を恐れながら歩むべきではないか」」
エズラの神殿再建とネヘミヤの城壁修復には大きな違いが見えます。ネヘミヤの場合は高度な政治的背景が見え隠れし、周りの権力者が何とかネヘミヤを丸め込もうと必死の努力が見え隠れしています(6:4-5)。しかも当のユダヤ人の間でも、金の貸し借り(5)、土地の売買(5)、身内の奴隷化(8)と利害関係が横行し、城壁修復の本来の目的を大きく逸脱したものになっていました。これに巻き込まれたネヘミヤは総督の給料を困窮する同胞のために使い(14)、重税への配慮を見せます。それはネヘミヤが王の高官としてある程度の財力があったからできたことです。ネヘミヤの神への信仰の根拠となったのは、「私たちの神を恐れながら歩むべきではないか(9)」というネヘミヤの言葉です。どんなに現実に金のやり取りや、土地の売買、身内の奴隷化があったとしても、今は神のための工事に専念すべきではないかとユダヤ人たちを諭したのです。ネヘミヤは総督としての地位があり、王直属の献酌官となると、周りの権力者もネヘミヤに近づき王への直訴しやすい関係作りに懸命です。そのためネヘミヤの食卓はいつも人でいっぱいだったのです(17-18)。