詩篇49篇 人はその栄華の中にあっても

詩49:20「人はその栄華の中にあっても、悟りがなければ、滅びうせる獣に等しい」

まるでソロモンのことを言っているかのようです。ソロモンが王になったころには、主の前で「民をたばくために聞き分ける心(1王3:9)」に願い、そのとおりに主はソロモンに知恵を授けます。そのときでもソロモンは「高き所」でいけにえをささげていたとあります(1王3:4)。この「高き所」問題はずっとあとの王の時代まで引きずり、ヒゼキヤの時代になってはじめて高き所が取り除かれています(2王18:4)。栄華を極めたソロモンの時代には銀は価値あるものとされず、ほとんどが金でできていたとあります(1王10:21)。ソロモンは多くの悟りを得ていたと思いますが、諸外国との政略結婚を繰り返すうちに、モアブ、アモン、エドム、シドン、ヘテ人の妻を持つようになり、それぞれ妻が信仰している神も一緒にイスラエルに取り込む形になっています(1王11:1-2)。主が「彼らをもあなたがたの中に入れてはならない。さもないと、彼らは必ずあなたがたの心を転じて彼らの神々に従わせる(1王11:3)」と警告していたのに、ソロモンは主のことばを忘れ、妻たちにしたがったのです。ソロモンに悟りがなかったわけではありませんが、サタンの巧妙な罠でソロモンは滅びの道を進んでしまうのです。