伝道者11章 ずっと楽しむがよい

伝道11:8「人は長年生きて、ずっと楽しむがよい。だが、やみの日も数多くあることを忘れてはならない。すべて起こることはみな、むなしい」
英語では「apathy」と呼ばれる感情表現が少なくなる症状があります。多くの場合、老年者に見られ、アルツハイマー認知症の症状の一つに数えられています。これが若年層に現れると、かなり深刻で若年のアルツハイマーうつ病が疑われます。年齢を重ねるごとに多くの経験から、刺激を与えても驚いたり、喜んだりする頻度が下がります。ソロモンが言うように長年生きて、ずっと楽しめれば幸いですが、そうもいきません。ソロモンはやみの日も数多くあることを忘れてはならない、と言います。人生を長く生きた人々はそれなりに労苦を重ねてきたはずです。何の障害もなく、ただ楽しい人生だけというのは信じ難いことです。老年で多く聞かれるのが、無趣味で自分は楽しむことを知らないと言う人たちです。やがて笑いも憤りも忘れ、顔から喜怒哀楽の表情が薄れていくのは寂しいことです。医学では「apathy(アパシー)」は、何らかの病気の症状だと考えられていますが、普通の人でも年齢とともに感情表現が少なくなります。ある意味笑える人は、物事に執着せず、割り切れる性格の人だと言えます。人生を楽しむにも、知恵が必要なのです。最後はすべてむなしいと悟り、神の栄光のみが人の支えとなるはずです。