伝道者の書10章 空の鳥がその声を持ち運び

伝10:20「「王をのろおうと、ひそかに思ってはならない。寝室でも富む者をのろってはならない。なぜなら、空の鳥がその声を持ち運び、翼のあるものがそのことを告げるからだ」
壁に耳あり、障子に目あり、というのは日本のことわざですが、何かちょっとしたことでもうわさは広まります。のろうことを思うだけなら、口に言葉を出していないから人には知れないと思うかもしれません。しかし、人が心に考えることは、どうしても人の表情や行動を通して出てしまうものなのです。勘のいい人に見られたなら、王に良くない感情を持っていることがバレてしまいます。また、「寝室」はプライベートな空間ですが、誰も見ていないと思っている場所でも、安心はできません。そのような思いやのろいが、どんなに秘密にしていてもどこからか漏れてしまうのです。あたかも、空の鳥が自由に空を飛び、行く先々でそれらを吹聴するかのようです。イエス様は「神を愛する」ことと「互いに愛し合う」ことが、最も大切な律法だと教えました(マコ12:30-31)。人をのろうことよりも、愛することができれば、鳥が余計な噂を広めずに済むでしょう。死んだハエが香油をダメにしてしまうように(1)、良くない思いは人の心を腐らせます。イエス様が言われた「パン種」には気をつけなさい(マタ16:6)、というのは、目に見えないイースト菌のようなものでも、人の心に入ったなら膨らみ、心を支配するようになることを警告したものです。