伝道者の書11章 どこで成功するのか、知らない

伝11:6「朝のうちにあなたの種を蒔け。夕方も手を放してはいけない。あなたは、あれか、これか、どこで成功するのか、知らないからだ。二つとも同じようにうまくいくかもわからない」
たとえソロモンのように知恵があったとしても、自分がどのように成功し、いつ死ぬのかはわかりません。預言者ならぬ予言者に自分の未来でも占ってもらえば、ひょっとしたら自分がどのようになるかがわかるかもしれません。聖書を読む人は、世界の終わりがあることは知っています(マタ24:35)。また、新しい天地がどのようなものかも知っています(黙21:1)。それでも、いざ自分のことになると明日がどうなるかさえわかりません。朝にも夕にも、種を蒔き続けるなら、朝蒔いた種がひょっとしたら芽を出すかもしれないし、夕蒔いた種が実を結ぶかもしれません。長寿な人は人生を楽しめばよいでしょう(8)。しかし、神によって定められた120年(創6:3)を生き抜いたとしても、死んでからの方が長いことはなかなか実感できないものです。人生で最も輝く若さも青春もむなしいとソロモンは言います(10)。箴言では「麗しさはいつわり。美しさはむなしい(箴31:30)」とあり、青春も美しさも一瞬にして過ぎ去るむなしいものなのです。そう考えると、体が自由に動き、美しくある時間のなんと短いことでしょうか。