パン種に十分気をつけなさい

マコ8:15「そのとき、イエスは彼らに命じて言われた。「パリサイ人のパン種とヘロデのパン種とに十分気をつけなさい」」
共観福音書にはすべてこの話があるので重要なイエス様のことばだと思います。パン種はいわゆる「イースト」で英語NIVは「yeast」でNASBでは「leaven」となっています。ギリシャ語ではすべての書簡でzyme(ズメ)」が使われており、パンを膨らませるものはこの単語だけのようです。マタイでは「ヘロデ」が「サドカイ」となっており(マタ16:6)、ルカではパリサイのパン種は彼らの「偽善」のことだと話されています(ルカ12:1)。そうするとヘロデ(あるいはサドカイ)のパン種はどういう意味でしょうか?サドカイ人はマタイではパリサイ人とセットで語られることも多く(マタ3:7,16:1、22:23など)、イエス様がその考え方を改めたい人の代表格となっていました。そして、共観福音書に登場するサド カイ人は「復活はない(マタ22:23、マコ12:18、ルカ20:27)」という、死後の考え方や神の国への理解が歪んでいた人として扱われています。つまり現実主義、あるいは生きている間だけの物質主義が垣間見える存在です。イエス様はパリサイのように見栄えを気にし、サドカイのように物質に頼る考えをパン種として教えたかったのではないでしょうか?