雅歌5章 あの方は見あたりません

雅歌5:6「私が、愛する方のために戸をあけると、愛する方は、背を向けて去って行きました。あの方のことばで、私は気を失いました。私が捜しても、あの方は見あたりませんでした。私が呼んでも、答えはありませんでした」
ソロモンが娘を訪れたのは、宴会を終えた(1)夜遅くでした。娘の寝室を訪ねたソロモンは頭は露にぬれ、髪の毛も夜のしずくでぬれるほど外で待たされたようです(2)。娘の心境は、寝支度をした後だから、今から王を迎える支度をするのは面倒くさいというものでした(3)。それでも、ソロモンが戸の穴から手を入れる音を聞くと、すぐに起きて戸を開けたのです(4-5)。没薬は強い香料で、死んだ人にも死臭を防ぐために使われていました(ヨハ19:39)。ここでは、ソロモンが娘と愛を交わしたいと願う様子が没薬のしたたりとして描かれています。互いに愛し合っても、タイミングというものがあります。すべての時間が二人にとっていつも良い機会であるとは限りません。ひょっとしたら王はほかの女のところに行ったのかも知れません。王の愛に応えるには、いつも目を覚まして気を緩めず、待ち続けることです。世の終わりにイエス様が盗人のように来ることは、聖書を読む人は知っており、目を覚ましているように忠告を受けているのも知っています(黙3:3など)。ソロモンを迎える娘はこのように一度は失敗し、王の誘いに応じることができませんでした。しかし、このような失敗だけで消える二人の愛ではなかったのです。